ピンバッジには、社章やノベルティ、そしてイベント配布などのさまざまな用途がありますし、自分で身につけたり、または集めているという人もいるでしょう。しかしピンバッジには、その製法などによって種類が多数あるため、オリジナルのものを作成する場合は、どんな種類があるのかを知っておくことが重要です。
まず、大量に製作するのに向いているものとしては「シルクプリント」のものがあります。シルクプリントは、金属板にシルクメッシュを通してインクを押し付け、表面を保護するためにエポキシを盛るという製法になります。特徴としては、写真などのデザインをオリジナルに近い形で表現出来るということが挙げられるでしょう。そして大量の製作に向いているものとしては、他にも「オフセットプリント」と呼ばれるものがあります。
オフセットプリントは、多彩な色やグラデーションを表現することが可能であり、表面はシルクプリントと同様にエポキシで保護されていて、見た目にツヤがあります。次に、ピンバッジで最も多いタイプとしては「フォトエッチング」と呼ばれる製法があります。フォトエッチングは、エッチングによって版をヘコませて染料を入れるという方法であり、きめ細かなデザインが出来ることがメリットです。またフォトエッチングでは、板の厚みが薄く、縁部分の幅が太目になるのが見た目の特徴になる言えるでしょう。
そして「スタンプソフトエナメル」と呼ばれるものも、一般的によく利用される製法として知られています。スタンプソフトエナメルは、真鍮などの材料をプレス加工することでヘコミを作り、そこにエナメルを盛って着色してから焼き付けをするという方法になります。
そしてメッキを施すことで美しくなり、塗装とメッキ部分にデコボコが出来るのが特徴だと言えるでしょう。またスタンプソフトエナメルは、複雑なデザインよりも、シンプルなデザインに向いた製法だと言われています。さらに、高級感のある製法としては「本七宝」と呼ばれるものがあります。本七宝は、最高峰の伝統技法であり、釉薬を盛って高温で焼き、磨きを掛けることによって美しく仕上げるという製法です。なので、高級感を重視するような記念品や社章などに向いていると言えるでしょう。また、本七宝と似たものとしては「疑七宝」と呼ばれるものがあり、こちらも火で焼いて磨き上げるという製法が取られます。疑七宝は、本七宝に近い仕上がりで、尚かつ本七宝より価格を安く抑えられるというメリットがあります。